お茶の水アート・プロジェクション “Tea Corner”
 ー 映像アーティスト 瀧 健太郎 ー

お茶の水駅前ビル壁面に映像アートが登場!
A&Sではアーティスト瀧健太郎氏をお招きして、今年の秋もお茶の水アートピクニックに参加します。
今回はアーティストが「お茶の水アートピクニック」エリアを歩いた印象をもとに制作された映像作品が、
秋の夕刻のひととき、商店街のビルの壁をスクリーンに投影されます。乞うご期待!

アーティストスケッチ

企画案 by Kentaro Taki



概要

アーティスト:瀧 健太郎

開催場所:お茶の水茗渓通り商店街 瀬川ビルディング東側壁面
   (一階は丸善書店、JRお茶の水駅 聖橋口よりすぐ)
日  程:2015年10月9日(金)・10日(土)
時  間:夕方日没後 17:30~20:30投影予定 ※小雨決行

企画運営:第12回お茶の水アートピクニック実行委員会、NPO法人アート&ソサイエティ研究センター
主  催:お茶の水茗渓通り会
協  力:株式会社昌平不動産総合研究所
     お茶の水サンクレール
     レモン画翠

oap_logo

フライヤー(PDF)のダウンロード

お問い合せ先

特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター
Email: info@art-society.com

アーティスト プロフィール

瀧 健太郎 (Kentaro Taki)
1973年大阪生まれ。武蔵野美術大学大学院映像コース修了。2002年文化庁派遣芸術家研修員、2003年ポーラ美術振興財団の研修員として、ドイツ・カールスルーエ造形専科大でメディアアートを学ぶ。コラージュやカットアップの手法を多用し、メディアや都市空間が体系的に持つ記号・ 暗号・慣例・コードを読み違えて、書き換えを行なうようなビデオアート作品を手掛けている。
国内展、海外展でパフォーマンス、上映多数。受賞多数。シンポジウム、レクチャー など多数参加。教育活動として武蔵野美術大学建築学科・映像学科非常勤講師、目白大学メディア表現学科非常勤講師。
www.takiscope.jp
www.vctokyo.org

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神田明神“LOVE 結びアート”奉納プロジェクトとは?
What is the art project “Ties of Love” that we are offering to Kanda Myōjin?


©SORA Synesthetic Design Studio+Takuya Yokoyama

縁結びで知られ、1300 年の伝統をもつ東京「神田明神(神田神社)」に、現代アーティストが制作した『Heart』を展示するプロジェクトです。

■プロジェクトの背景

2015 年 2 月 2 日〜3 月 14 日、東京、御茶ノ水の公共スペース、お茶の水サンクレールにおいて、アート&ソサイエティ研究センター企画のアート作品『ハート・ライト・ゴーランド』が展示されました。バレンタインデーとホワイトデーを意識して「LOVE」、「ハート」をテーマに、造形アーティスト志喜屋徹のアイディアのもと、新井敦夫の五感演出プロデュースにより行われたプロジェクトです。

トランプで立体的につくられた数体の動物オブジェを包み込むように、約2.3m の大きさのライン状の LED 照明で「ハート型フレーム」が出来ています。 『ハート ・ライト・ ゴーランド』は、アーティストの造形だけで完成という訳ではありません。そのフレームは、メッセージなどが結びつけられるようになっていて、一般の参加者が、大切な人に向けた「愛」や「想い」をハートマークのトランプに書き、結びつけていくことで完成する、参加型のアート作品でした。
現代アートでありながら、おみくじや絵馬を結びつけるという日本的な風習にのっとったスタイルは、一般の方も参加しやすく、みるみるうちに大量のカードが結びつけられて、期間終了時には、1500 枚を超える、「愛」や「想い」が込められた、メッセージカードが集まり、このプロジェクトは大盛況のうちに終了しました。「ずっと、やっていて欲しかった。」と、残念がる人の声も上がるほどでした。
しかし、一時的なプロジェクトであったため、期間終了した現在、作品はそのスペースから撤去され、廃棄処分されることになります。

「ハート型フレーム」の処分を名残惜しんで、なんとか人びとに愛された作品を地元の縁につなげていけないものか、五感プロデューサーの新井は、プロジェクトの開始時にお参りしていた「神田明神」に、終了後、祈願達成の報告のため再度お参りしたときです。「ここ、神田明神に奉納したら、どうだろう?」 と、ふと思い立ちました。まさに、インスピレーションを受けた瞬間です。
 
一方、アート&ソサイエティの工藤は、一般の方々から集まった、大切な人へ の様々な「愛」や「想い」が綴られた「メッセージカード」を読んでいるうち に心を動かされ、この気持ちを、なんとかしてあげたいと考えはじめました。 そして、人びとが自分たちの思いを託すものとしてアートをとらえる姿をみて、 社会との関係性を築けたことを強く実感していました。
そんな気持ちをもったまま、2人は相談し、意気投合。「神田明神への奉納」の アイディアを造形アーティストの志喜屋に相談すると、「今回の作品を考えるとき、『メッセージカード』は『絵馬』から、『ハート型フレーム』は『おみくじや、絵馬を結びつける場所』から、まさに、神社からのインスピレーションを受けてたんです!」と志喜屋もまた意気投合しました。「その『神社への奉納』 が、実現出来れば、みんなの『愛』や『想い』を集める、神社の新しいシンボルになる!」「個人的、一時的な現代アートの表現を越えて、日本伝統の文脈にのっとった、普遍的、恒久的な文化の発展にも繋がるような気がする!」と期待も大きく膨らんでいきました。

その後、早速、お茶の水駅前商店街の会長や商工会議所の方々にご協力いただき、神田明神の権禰宜である長沢隆光さんに、サンクレールまで『ハート・ライト・ゴーランド』の展示を見に来て頂く運びになりました。長沢権禰宜さんは、すぐに大変気にいり、神田明神の大鳥居信史宮司にお話して頂いたところ、 即答で『ハート・ライト・ゴーランド』を貰い受けよう、という事になりました!移設に伴う運搬や LED ライトの設置費用、恒久的な作品にするための耐久処理や防水処理などのための費用として神田明神から準備金を頂き、その他にも地元企業さんの三井住友海上火災、東京商工会議所千代田支局からも寄付金を頂いています。

御茶の水駅に 1981 年建設された「新御茶の水ビルディング」の公開空地、サンクガーデンに展示した参加型アート作品を、地元の鎮守様であり、1,300 年の歴史を持つ神田明神に奉納することは、“作って、壊し、捨てる”、というこれまでの街づくりのあり方と相反するものです。“地元でつくられ、それを地元につなげる”、これがこのプロジェクトが生み出した価値だと考えます。今後の展望として、この作品が、「恋愛成就祈願」の新しいシンボルとして、“LOVE 結びアート”となり、末永く、親しんでもらえるものになってほしいと思っています。そして、日本国内だけではなく、「COOL JAPAN」を代表する現代アートと、伝統文化をつなぐ表現のひとつとして、海外にも発信できるような新名所となるよう願っています。

プロジェクト・メンバー一同
志喜屋徹、新井敦夫、高木潤、松本大輔
アート&ソサイエティ研究センター 工藤安代
奉納式制作関係者集合写真
≪本体寸法≫約 2300W×約 2300H×2300D
≪仕様≫フレーム/スチール防錆塗装仕上げ
照明/フルカラーLED ライト
(防水仕様)+樹脂製特殊導光棒、
調光コントローラー付属
<1,500 枚の「LOVE メッセージ」がハートマークのトランプに書き込まれ、作品に結ばれた>





These are the ties of love at the 1300-year old Kanda Myōjin, which modern artists have represented as a Heart.

The Background of the Project

From Feb. 2 –March 14, at the public space at Saint Clair in Ochanomizu, the artwork Heart Light Go-Round, planned by the Art & Society Research Center, was displayed. It was based on an idea of artists, Shikiya Akira and Arai Atsuo of Five Senses Productions concerning love and the heart on Valentine’s Day and White Day(the day following Valentine’s Day when girls give boys white chocolate) .
A 2.3 meter frame composed of LED lights and wrapped in a number of animal-like objects made of playing cards was called the “heart frame.” As a temporary work of art, the artist did not think of it as a finished work. People participating in the event tied messages on it concerning their love or thoughts for important people in their lives. These were written on playing cards of the heart suit. Only then was it a finished work.

While it was a piece of contemporary art, it relied on the Japanese traditions of fortunes and ema (the pictures of horses offered to shrines in prayer or thanks), making it easy for Japanese bystanders to participate. As they looked at it, they wrote their own hopes and concerns on the playing cards that they tied on the frame. When it was finished, we had over 1500 cards on it expressing people’s love and thoughts about others. The project was a great success and many people felt sad that it could not continue.

However, the work was only temporary, and when the project ended it would have to be removed from the site and disposed of. We felt great reluctance to dispose of the “Heart-Frame,” and wondered if we could somehow preserve its relation with the people of the local area who loved it. Arai, the producer of Five Senses had gone to Kanda Myōjin when the project began, and when the project concluded, he went again to report on how prayers had been offered. He suddenly thought, “Could we offer it to Kanda Myōjin?”
Kudō of Arts and Society had been deeply moved by reading the messages about love and thoughts about others that had been written on the playing cards and wanted to do something with them. She felt strongly about the way in which people had entrusted their thoughts as art and related to society.

The two discussed their feelings and found that they were in agreement, and then went to discuss giving the work to Kanda Myōjin with the plastic artist Shikiya. He responded, saying, “When I thought of the project, the message cards seemed like ema and the heart-shaped frame was also like ema or the fortunes one obtained at shrines. So from the beginning I found inspiration at shrines. If we succeed in offering it to the shrine, it will become a new symbol at the shrine for collecting people’s love and dreams.”
“This goes beyond an individual or temporary expression of contemporary art because it draws upon the context of Japanese traditions. I feel that it connects with universal and eternal expressions of culture.” We then went to speak with the president of the organization for the shops in front of Ochanomizu Station and to the conference of commercial and industrial organizations and obtained their cooperation. The provisional suppliant priest Nagasawa Takamitsu liked it immediately.

We collected funds to transport it to its new location and install the LED lights. To make it a permanent installation it must be protected from water damage. We have received inititial funds from Kanda Myōjin, the local branch of Mitsui-Sumitomo Insurance Company, and the Chiyoda Branch of the Tokyo Chamber of Commerce and Industry.

In 1981 , the Shin Ocha no Mizu Building with a sunken garden was established as a public space with art as a guardian deity for the area. By offering this to Kanda Myōjin with a 1300 year history, we are rejecting the usual course of making something and then destroying or throwing it away. We see the value of this project in it being a “locally made object with ties to the local area.” This will be a symbol of prayers for love for the future. We think it will represent a modern view of “Cool Japan” that is connected to traditional culture. We hope that it will become famous place that sends a message of love to foreign countries.

Project Members
Akira Shikiya, Atsuo Arai, Jun Takagi, Daishuke, Matsumoto
Yasuyo Kudo  Art & Society Research Center

Measurements 2300 cm wide x 2300 cm high x 2300 cm. deep

The frame was steel, coated with anti-rust paint
LED full-color lights with a resin-coated special pole, a light-sensor.
1500 playing cards with the heart suit with messages completed the work

ハート緑web

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公開空地プロジェクト2015 “Heart Light Go-round”
(バレンタイン&ホワイトデー♥プロジェクト)に関するアンケート調査

対 象:お茶の水サンクレール 各店舗(下記参照)
実施日:2015 年 2 月 27 日(金)14:00〜16:00
調査員:特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター





Q1 プロジェクトに参加したか(メッセージを書いたか)?

参加した 2
参加しなかった 16
Q1 プロジェクトに参加したか (メッセージを書いたか)

Q1 プロジェクトに参加したか (メッセージを書いたか)




►参加しなかった理由
1 参加の仕方が分からない 1
2 プロジェクトを知らない 0
3 興味、関心がない 4
4 その他 11
参加しなかった理由

参加しなかった理由




►その他の内容(複数回答可)
1 設置場所の問題 4
2 お客様向け 3
3 忙しい、時間がない 3
4 顧客の年齢にないものだから 1
5 女性がターゲットだから 1
その他の内容

その他の内容




Q2 プロジェクトの感想

1 とてもよかった 5
2 よかった 9
3 ふつう 3
4 あまりよくない 1
5 全く良くない 0
プロジェクトの感想

プロジェクトの感想



►具体的な感想(複数回答可)
1 珍しい、ユニーク、斬新、独特など 7
2 きれい、良い 3
3 暗い、地味 3
4 人が集まる 5
5 景色が変わる、変化がある 5
6 その他 8
具体的な感想

具体的な感想



その他の意見
参加に抵抗ある、違う階にもあると良い、キャプションが小さい、びっくりした、何をや っているか分からなかった、壁面作品の影が良かった等。


Q3 印象に残った作品について 〔 P)ポジティブ N)ネガティブ M)中間意見 〕

1.ハートフレーム
照明の演出
P)光っているのに驚いた。シーズンらしくてかわいい・きれい・夜がすご くきれい。若い人が写真に撮っていた。なんとなく良い(2)。夜はあった 方が良い。色を時間で変えると目でも楽しめる。きれい。ものが良いのに 人がよらないのはもったいない。 N)暗くて印象に残らない。地味で派手さに欠ける。気づかなかった、知ら なかった。もっと照明を当てると良い、明るいと良い。インパクトが小さ く、印象が強くない。 M)夜は見ていない。水色の照明の方が雰囲気に合う
ハートフレームの形
P)分かりやすい(2)。良い(9)。オブジェとして良い。バレンタインに合っていた(2)。斬新で新鮮・立体的で良い。かわいい。ハートっぽくないのが良い。グループ対象なのかと思ったが1人で参加した人もいた。
トランプのオブジェ
P)・動物でかわいい。トランプでかわいい。女子ウケに良い。トランプで こういう形ができるのだとびっくり。子どもが喜んでいた。分かりやすそ うだった。すごいと思った。今までにないタイプで、光っている感じが良 い。クマが良い。
N)何か分からなかった、分かりづらい(3)。気づかなかった(2)。知らなかった(2)。ちょっとスケールが小さい。光っている部分が暗い。
M)トランプの色をピンク色にすれば良い。雨に濡れたらどうなるのか気に なった。
メッセージカード
愛がテーマなのにこれで捨てるのはもったいない。



2.通路の釣りオブジェ『光をもとめて』で好きなものは 3 作品のどれか?
1 薬店前 5
2 肉の万世前 5
3 誠寿司前 0
4 無回答 8
通路の釣りオブジェ 『光をもとめて』

通路の釣りオブジェ 『光をもとめて』



無回答の理由
いい感じだった。店舗内の全体的にあると良い。大きさが小さく、さらに端に展示されていたため、千代田線へ続く出入り口付近の方が良い。同じ作品だとマンネリ化するので一週間ごとに作品を変えたらどうか。トランプがぶら下がってい た印象だけ感じた。ハートのオブジェの方が印象的だった。1 番には気がついた。見ていない。

1番が好きな理由
良いと思った。大きくて目立つ。高さがちょうど目線にあって良い。シンプルだ から。気になった。2,3 番側に普段は行かないので。怖い印象があった。

2番が好きな理由
照明がカラーで目に留まった。色があって良い(複数回答者)。バレンタインな のでピンクで明るいため。影が素敵。色と影がいい。

3番への意見
普段は行かない。

Q4 今後もこのようなプロジェクトを希望するか

はい:18/18 (100%)

理由
楽しくて飽きないから(2)。新顧客の獲得になるから。面白いから(2)。イベント感が あって良いから(2)。拍が付いている感じがするから。目印になるから。店内でもイベン ト(バレンタイン)の飾りをしているのでビルとしても一体感があると思うから。サンク レール商店街として盛り上がるから。周囲とのつながりになるから。
意見
ヨコのつながりを作りたい(2)。サンクレール商店街全員ができるものが良い(2)。明 るい雰囲気になるので大々的にとことんやってほしい(2)(インパクトがあると気になる 人が増える)。季節に合ったものが良い(2)。毎年同じものがあると定着されると思う(ク
リスマス=ツリー、バレンタイン=トランプ)。テーマを持たせると良い。一周回って作品 を展示するとビルの中が活気づくのではないか。もっと変わったものの方が良い。ヤング 向け(20~30 代)のものがいい。よく見て楽しめてテンションが上がるものが良い。ムー ドのあるものが良い。明るくて分かり易いものが良い。上のフロアにも飾ってあると良い。 店内から見える物が良い。秋のアートピクニックの時に明大生の作品があると(地域とつ ながりがあるので)良い。宣伝ぽくないギャラリー風になると良い。壁に絵の展示がほし い。壁を使うと良い。集客が増えるイベントが良い。出入口に展示してビル内に入るとよ くわかる物が良い。



解答店舗(あいうえお・ABC 順)
1.エクセルシオール 2.カフェ いしい 3.きりしまフラワーお茶の水店 4.げんない 5.コージーコーナー 6.新お茶の水薬局 7.スープストック 8.バーガーキング 9.ビストロ・びぜん 10.水の和座 さわび 11.めがね・コンタクトの井上 12.リトルマーメイド 13.Amo’s style 14.Barbarプラド 15. Beauty Deli 16.Camis 17.Rots 18.Shop in

ご協力いただいた各店舗の皆様、ありがとうございました。

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公開空地2015”Heart Light Go-round”の『ハートフレーム』と
1500枚の『メッセージカード』が神田明神に、奉納されました!

公開空地2015”Heart Light Go-round”はバレンタインとホワイトデーのプロジェクトとして「Love」をテーマに展開されました。
LED照明で彩られたハートフレーム。その中で揺れるトランプのオブジェ。そこに参加者が各々の想いをトランプに綴り、愛する人へのメッセージカードとしてハートフレームに結ぶ。そんな参加者一人一人の想いと共に完成された”Heart Light Go-round”プロジェクトは3月14日のホワイトデーを最後に惜しまれつつ、終了しました。
0214_0001 41日間、灯り続けたハートの光は、人々の記憶の中にも光跡を刻んだことでしょう。
そして、そのハートの光が、5月19日に1300年の歴史と伝統のある神田明神にて再び灯ります。
IMG_5912 「LOVE結び」のシンボルとなったハートフレームは、おみくじや絵馬を結ぶフレームとして、末永く親しんでもらえるよう、神田明神に恒久的に移設されました。
5月19日の奉納式の様子や奉納に至るまでのエピソードを綴ったレポートは後日、本HPにて公開する予定ですので、ご期待ください。
奉納されたハートフレームが「恋愛成就祈願」の新しいシンボルとして、「LOVEパワースポット」として、みなさまの想いを未来に結んでいけたらと願っております。

150522神田明神

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公開空地プロジェクト2015 “Heart Light Go-round”
(バレンタイン&ホワイトデー♥プロジェクト)

2015年の公開空地プロジェクトは、2月バレンタインのテーマを反映し、「LOVE」をテーマとした作品が展開された。志喜屋徹による「トランプ」の立体作品が、東京御茶ノ水の公開空地(お茶の水サンクレール/地下1階サンクガーデン)、屋内の通路に展示された。プラスチック製トランプをハトメで留めていくことで、動物、テトラポット、星などといったさまざまな立体造形がつくられた。
バレンタインを意識した「ハート型のフレーム」は夜間LED照明の光が放たれ、その中に組み込まれたトランプ造形にも暖かい光が灯る。
作品には、「大切な人」に向けたメッセージが参加者によって結びつけられ、♥マークのトランプが日を追うごとに増えていく。

屋内外の作品全体を包むように、お茶の水をテーマとして作曲家高木潤が書き下ろしたサウンド、五感演出プロデューサーの新井敦夫により「光と音が響きあう環境」がつくられ、サイトスペシフィックな共感覚表現が実現された。あたかも細胞が自然に結合しながら増殖するように、多くの参加クリエイターの「ハート力」が重なっていくプロジェクトとなった。

アーティスト 志喜屋徹 Akira Shikiya 新井敦夫 Atsuo Arai 高木潤 Jun Takagi
日 時 2015年2月2日(月)- 3月14日(土)
公開空地 お茶の水サンクレール B1サンクガーデン広場
協 賛 日本出版販売株式会社
協 力 SORA Synesthetic Design Studio Lighting Roots Factory

OA全体web 「Heart Light Go-round」
志喜屋 徹 Akira Shikiya
五感演出プロデュース、音具演出:新井敦夫 Atsuo Arai
作曲:高木 潤 Jun Takagi
演出照明施工:Lighting Roots Factory



♥︎カード&オブジェアップ  
ふだん、なんとなく思ってはいても「愛」ってなかなか上手く表現出来ない。
片思いの人や、恋人に対しての「愛」はわりと表現しやすいかもしれないが、友達や家族、兄弟、会社の上司や部下への「愛」だって、飼っている犬や猫、植物に対する「愛」だって、すべての生きとし生けるものへの「愛」がきっとあるはずだ。ただ上手く表現していないだけなんだと思う。
「愛」が気恥ずかしいなら、「愛情」とか「思いやり」でもいいかもしれない。一度、コトバにしてみてほしい。オモテに表してみてほしい。そうすれば、ハッキリと自覚したり、それを見た人にも伝わる何かが、きっとあるはずだ。
ここにあるトランプでつくられた動物たちには、♥のカードが入っていない。
あなたが♥のカードに誰かへの♥を込めたメッセージを書き結びつけることで完成するアート作品だからだ。いっぱいになればなるほど動物たちにも♥がこもり、誰かに♥を伝えてくれるかもしれない。新しい♥が芽生えるかもしれない。(志喜屋 徹)


OAオブジェ全体web  
回転するように見えるハートの光の輪郭、いのちの鼓動・律動を表すオブジェたちの光、
新生児の時の記憶を思い起こさせるような、優しい音の響き、これらが、光のメリーゴーラウンドになり、来街者たちの思いを集めて、サンクガーデンで回り始める。
その光跡は、開催期間の41日間、お茶の水の街の一隅に「時の光の記憶」として刻まれていく。
41日間が過ぎた後も、訪れた人々の心の中で、その光はずっと回り続ける。
それは「ハート・ライト・ゴーランド(Heart Light Go-round)」となっていくだろう。(新井 敦夫)


<場の気分を生み出し、お茶の水サンクレールをひとつの空気感でつなぐ音>をコンセプトに、楽曲3曲を作・編曲しました。1曲は、「ありがとうの感じ」。バレンタイン&ホワイトデーに贈り物をする時の、『ありがとう』のやりとりの瞬間、贈った人ももらった人もニヤニヤしちゃう「あの感じ」を楽曲に込めました。1曲はこの場所周辺の雰囲気を曲にしました。ニコライ堂、聖橋、神田明神。ビルが建ち並ぶ中でも漂う澄んだ空気を込めています。もう1曲は、サンクガーデンの風の印象のサウンドスケッチ。風が渡り、行き交う人の頬に触れた瞬間、爽やかな風のリズムが生まれる、そんな印象を楽曲に込めました。志喜屋徹さんの作品とともに、この空気感を楽しんで頂けたら幸いです。(高木 潤)



2月14日深夜にライトプログラムをレッドからブルーのホワイトデーバージョンに更新。  
撮影:©Atsuo Arai


展示オブジェ hikariwomotomete3 「光を求めて Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ」
志喜屋 徹 Akira Shikiya
五感演出プロデュース:新井敦夫 Atsuo Arai
作曲:高木 潤 Jun Takagi
演出照明施工:Lighting Roots Factory+光彩照明デザイン工房






アーティストプロフィール

shikiya photo志喜屋 徹 AKIRA SHIKIYA
兼業造形アーティスト 沖縄県生まれ 1991年 沖縄県立芸術大学卒業  1993年 東京藝術大学大学院修士課程修了  1996年 東京藝術大学大学院博士課程満期退学
広告という「世の中の人にモノゴトをどう伝えるか」を考え表現するサラリーマンとしての仕事をしながら、造形アーティストとして、六本木や横浜、香港、シンガポール、ロサンゼルスなどで展覧会や表現活動を行う。日常生活の中で当り前すぎて、関心を向けられない存在であったり、価値のない消費物として扱われるモノたちを、ちょっと視点を変え「モノが持っている別の能力」を(発見し、その力を)発揮させるコトによって、今まで見たコトのない、モノから機能性を消し、アートへと関心や注目を集めるモノに変貌させるコトを得意としている。世の中の情報や常識とは関係なく、個人の内面にある「もともと知っている力」を発見出来れば、ありきたりな日常も、生き方も変化すると考えるアーティストであり、生活においての「プチ革命家」である。

arai photo新井 敦夫 ATSUO ARAI
五感演出プロデューサー。1960年東京生まれ。音環境デザインのプランナー・プロデューサーを経て、音、光、香り等、五感の相乗効果を活かした環境演出・デザインや、ソーシャルアート等の企画・プロデュースに取り組んでいる。
東京メトロ南北線「発車サイン音」のデザイン・ディレクション等、実績多数。
「シネステティック・デザイン(五感にひびく『感覚の味わい』を生み出すアート&デザイン)」をテーマにした研究・創造活動組織「SORA Synesthetic Design Studio(SORA SDS)」代表。

takagi photo高木 潤 JUN TAKAGI
ギタリスト、作・編曲家、サウンドデザイナー。SORA SDSメンバー。
様々な映画、舞台、CM等の音楽、アーティストへの楽曲提供を手がける。
劇場公開映画「ムンクの叫び」、「たべんさい 広島ラーメン物語」(葉山陽一郎監督作品)の劇中音楽、サウンドデザインを担当。

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公開空地プロジェクト2015 “Heart Light Go-round”(バレンタイン&ホワイトデー♥プロジェクト)開催のお知らせ

フレーム製作図
2015年公開空地アート・プロジェクトは、お茶の水サンクレールにて開催。ハート型フレームの中にトランプで作ったオブジェが飾られます。
回転するように見えるハートの光の輪郭、いのちの鼓動・律動を表すオブジェたちの光、これらが、光のメリーゴーラウンドになり、来街者たちの思いを集めて、サンクガーデンで回り始めます。


動物のオブジェ2
2015年2月2日(月) 〜 3月14日(土) 
開催場所:B1サンクガーデン広場
アーティスト:志喜屋徹 AKIRA SHIKIYA
五感演出プロデュース:新井敦夫 ATSUO ARAI
協賛:日本出版販売株式会社
協力:SORA Synesthetic Design Studio
   Lighting Roots Factory



2015年公開空地アート・プロジェクト“Heart Light Go-round”とは:バレンタインにちなんで「LOVE」をテーマとした光と音とオブジェが結合したサイトスペシフィックな参加型プロジェクト。アーティスト志喜屋徹による「トランプ」の立体作品が、赤色LED照明で光るハート型フレームの中で暖かい光を灯しながら揺れる。ハート型フレームには、「大切な人」に向けたメッセージが参加者によって結びつけられる。愛のメッセージが書かれた♥マークのトランプが日を追うごとに増えていくことによって完成する作品。

箱一杯のトランプがどんなオブジェへと変貌を遂げるのか?!

箱一杯のトランプがどんなオブジェへと変貌を遂げるのか?!

トランプに穴を空けるのが第一工程

トランプに穴を空けるのが第一工程

トランプ18枚を使用して完成したオブジェ

トランプ18枚を使用して完成したオブジェ

次々と完成していくオブジェ

次々と完成していくオブジェ

オブジェの制作風景。中央がアーティストの志喜屋氏

オブジェの制作風景。中央がアーティストの志喜屋氏

フレームに仕込む光源をテスト中

フレームに仕込む光源をテスト中

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「シブヤのスキマを見つけよう」 -あなただけの渋谷を発見―

「シブヤのスキマを見つけよう-あなただけの渋谷を発見-」は、実践女子学園アート・コミュニケーション研究所による、芸術を通じたコミュニケーション教育の可能性を研究することを目的としたワークショップです。写真という表現活動を介して、渋谷のまちの文化や歴史を探索します。いままで気が付かなかった大都市の隠された魅力をパーソナルな視点から読み解いていきます。

ACP

概要

場 所:実践女子大学渋谷キャンパス1階「プレゼンテーションルーム」
    〒150−8538東京都渋谷区東1-1-49
    実践女子大学渋谷キャンパス
    アクセス>http://www.jissen.ac.jp/access_guide
日 程:2014年12月13日(土)・14日(日) ※小雨開催
時 間:13:00〜17:00
対 象:どなたでもご参加いただけます(一般市民、学生)
定 員:30名程度
参加費:無料

内 容:プロカメラマンとの写真ワークショップ
持ち物:デジタルカメラやスマートフォン等撮影機材をお持ちの方はご持参ください。
その他:当日の撮影は、インスタントカメラ=チェキを貸与して行います。チェキをお持ちの方はご持参下さい。フィルムは当方が用意いたします。

主 催:実践女子学園アート・コミュニケーション研究所
共 催:特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター

当日のスケジュール

イントロ+フィールドワーク+発表+ふりかえり
宮腰さんから写真のショートレクチャーを受けたのち、グループに分かれて渋谷のまちに出かけます。渋谷の風景をパーソナルな視点で撮影して会場にもどります。自分たちが出会い、そこで見つけた渋谷のまちについて発表するワークショップをおこない終了します。

[12:45]
受付開始(プレゼンテーション・センター)
[13:00]
集合
開会の挨拶/ワークショップの説明/宮腰講師の紹介
[13:15]
講師によるイントロダクション
[13:45-15:30]
フィールドワーク(グループに分かれて)
[15:45]
集合
[16:00]
グループ毎の発表会&ふりかえり
[17:00]
解散

お申込み/お問い合せ先

実践女子学園アート・コミュニケーション研究所
〒150−8538東京都渋谷区東1-1-49
実践女子大学文学部椎原伸博研究室内
tel: 03-6450-6896
Mail: kudoyasuyo@gmail.com

アーティスト プロフィール

selfportlait
宮腰まみこ(Mamiko Miyakoshi)
長野県出身。大学卒業後、デザイン会社で写真雑誌を手がけたことがきっかけで写真家の道へ。松涛スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。映画スチール、写真集、雑誌、広告で活動。RICOH×PHOTOGRAPHERS SUMMIT「恋するGR」 フォトコンペグランプリ受賞。現在「東京画プロジェクト(http://www.tokyo-ga.org)」参加中。

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子どもは見つけ、大人は考える
10/11・12開催「くんくんウォーク – まちと自然と香りを楽しむワークショップ –」を終えて

常に身の回りに存在し、無意識的に私たちを動かしている「匂い」
お茶の水で行われたワークショップの2日目に参加してきました。


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A&Sは、今年もお茶の水アートピクニックの関連イベントをECOM駿河台で主催しました。10/11・12の2日間、「匂い」をテーマに活躍されているアーティストの井上尚子さんをお招きし開催した、「くんくんウォーク-まちと自然と香りを楽しむワークショップ」です。

1人1本、真っ赤な匂いボトル(くんくんボトル)を片手にまちを歩き、見つけた匂いを採取しボトルにブレンドする。オリジナルのくんくんボトルを完成させるという行為を通して参加者の気持ちはどう動くのか、全く想像がつかない状態で当日を迎えました。

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参加者が集まり、まずは自己紹介が始まります。そしてくんくんボトルとマップが配られ、道順の説明。今回は、三井住友海上の屋上庭園から始まり、ニコライ堂・太田姫稲荷神社に立ち寄り宗教と香りの関係に触れつつお茶の水のまちを探索するコース。

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まち歩きに向かう前に、屋上庭園にはお茶の水ならではの香りが入ったサプライズスパイスがあるとの説明が。井上さんの「お茶の水を象徴する香りを用意しました」との言葉に、参加者の方から「え、学生の匂い!?」と黄色い声。井上さんが過去に大学で行ったくんくんウォークでは、部活中の男子学生の汗の匂いを採取したことがあると話が広がり、最初は緊張した雰囲気でしたが、だんだんと空気が和み始めました。

そして、ついにくんくんウォークがスタート!

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まずは屋上庭園に。入口に生えている金木犀に我先にと匂いハンターが群がります。庭園にはローズマリーを始めとするハーブ類、そして匂いを嗅ぐと頭が良くなりそうなニュートンのりんごの木(!)など種類豊富な植物が生えており、子どもを筆頭に参加者はバラバラになって香り収集に夢中。同じような見た目の葉っぱでも、ちぎって揉むとそれぞれ独特の香りが漂います。

ECOM駿河台・屋上庭園は、1984年、中央大学跡地に三井住友海上(当時:大正海上火災)が新しくオフィスを立てる際に行われた企業緑地活動の一環です。当時企業緑地は珍しく、特に屋上庭園は先進的な活動として話題に。お茶の水にたまたま緑がある訳ではなく、その香りの背景には住民と企業の環境への配慮とその歴史があることを実感。

「カレー!」「おいも!」「コーヒー!」
こどもは発見するのがはやく、サプライズスパイスを見つけてはどんどん匂いの正体を当てていきます。大人は、匂いの正体がなかなかわかりません。

「匂いを当てるのはこどもが得意。
大人はいろいろな匂いを知りすぎていて
どれだかわからなくなってしまうみたい。」

始まる前の井上さんの言葉が頭をよぎります。

質か量か。知識が多ければ多いほど物知りであるように感じますが、知れば知るほどに引き出しが増えていき、どの引き出しを開けるのか選択が求められていきます。こどもは引き出しが少ない分、選択する必要がない上に、引き出しの中身がクリアで濃厚です。引き出しが少なく知識を把握している状況と、博識で選べないほど引き出しを持っている状況と、どちらが本来の「知」に近いのでしょうか。
老若男女が集まるワークショップだからこそ浮かんだこの疑問に面白味を感じ、だんだんとくんくんウォークに魅了されはじめました。

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お互いのボトルを嗅ぎ合って「キュウリの匂い!」「ああ、カレーは強いね」「爽やかだねー」「これ、NGだよ・・・くさい・・・」と一気に縮まる参加者同士の距離。盛り上がる様子を見て、途中から参加されたご家族も。参加者もくんくんウォークの魅力にだんだんはまります。

個性が表れ始めたくんくんボトルを片手に、ニコライ堂に到着です。

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ニコライ堂に入ると、まず香りに出迎えられました。ニコライ堂は、ギリシャ正教とも東方正教会とも呼ばれる正教会の教会で、正教会は伝統的な儀式を大切にします。と、教会員さんからお話しをしていただきました。儀式の一環として、祈りの証である乳香を振りかざす「炉儀」が旧約時代から現在にかけて日常的に行われ続けているために、ニコライ堂はいつも乳香の香りがするそうです。

「香りは空間を区切る役割を持っています。」井上さんの言葉です。日常空間と、神と繋がる空間。公的な空間と、プライベートな空間。実家でリラックスする時にも、お寺や教会で神聖な雰囲気を感じる時にも、建物という立体的・視覚的区切りはもちろんのこと、精神的な部分には香りの力が無意識下で働いているのかもしれません。

神聖な香りに包まれて行われたニコライ堂と乳香の説明に、大人たちは興味津々でしたが、こどもはくんくんボトルに夢中。ニコライ堂から外に出ると、大人を匂いに先導してくれました。

コンビニの前に落ちていたタバコを拾いくんくんする少年。大人は「汚いからやめなさい」と説教モード。しかし私は「なんてするどい観点だ」と思ってしまいました。個人的な思い入れですが、タバコの匂いを身近に感じるようになったのは大学に入ってからです。お茶の水という土地の学生街の側面を表す匂いだなあと。

匂いを意識し散歩をしていると、知識のある大人はハーブなど「いい香りがする物質」を探します。しかしこどもは知識がない分、純粋に目の前にあるものから匂いを見つけ出していました。日常の興味にも同じことが言えると思います。幼少期には目の前のものにいちいち関心を示し、そこから面白みを引き出すことが難なくできていました。しかし今では、まず「面白いこと」を探そうとしています。物事は匂いのように常に自分の周りにまとわりついているのに、吸う前のタバコの匂いの良さに気付かないのと同じで、知る前からつまらなくて取るに足らないものであると、存在することすら意識せずに沢山のことを流して生きてしまっているのだろうな、と。町にある草花の匂いに関心を持たず、綺麗な店で売っている香水の匂いをかいで「香りっていいな」と思うようになったあたりから大人になってしまったのでしょうか。

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もう一人の少年は道の途中に生えていたオシロイバナをくんくん。これには大人たちも群がります。「ちっちゃい頃、この中の白いのをチョーク替わりにして遊んだな」などと、ひとりひとりがそれぞれの思い出をもってオシロイバナと向き合っていました。普段は道の途中の脇役でしかないオシロイバナですが、幼少時代は魅力的な遊び道具。もう遊ぶことはなくなったオシロイバナと「匂い探索」という目的があるからこそ久々に対面し、ノスタルジーに浸る大人たち。

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最終目的地の太田姫稲荷神社に到着。大きなむくの木が出迎えてくれました。
境内では神社特有の木の香りに包まれながら、説明が始まります。

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輪から離れた少年に目をやると、地面に落ち虫に食べられた穴あきの柑橘を見つけた様子。柑橘の皮をちぎると爽やかな甘い香りがします。「いれるといいにおいになるよ」と小さな先輩にアドバイスをいただきました。多めにボトルに入れたら他の匂いが消えてしまい、「(これまでつくってきたオリジナルボトルから)逃げたな」と井上さんからご指摘が。オリジナルに自信が持てずに、周りから評価されそうな匂いに逃げた心情を見事に読まれてしまいました。さすが匂いアーティスト・・・。

そしてついに
くんくんウォーク終了、ECOM駿河台に到着!

小休憩をはさんで、くんくんボトル嗅ぎ合いっこタイムです。

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同じコースからどんな匂いを集めたのか、お互いに興味津々。円になって、ボトルを嗅いでは左隣に回していきます。

素直に色々な匂いを突っ込んだ濃いボトル、
よく鼻を利かせないと感じられないくらい繊細なボトル、
野菜の香りがするボトル、実家の匂いがするボトル、
自分のボトルとちょっと似ているもの/似ていないもの。

同じまちで集めましたが、同じ香りのするボトルはひとつもありません。匂いとその収集過程に、持ち主の人柄が香ります。

最後に香りのレシピのコラージュ作り。

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小学校の図工の時間にタイムスリップしたみたいです。みんな真剣。静かになったと思ったら、誰かが誰かの作品を覗き込んで「うわあ、上手!」なんて声があがったりします。匂いを色や形で表現する、はじめての試みに考え込んで手が止まってしまう人も。行う時間が嬉しく、すっかり夢中になってしまいました。

一通りできあがったタイミングで数人の発表がありました。作品の説明を聞いてやっとコラージュの全貌が掴める作品、ぱっと見ですぐに香りが伝わってくる作品。繊細な性格が香りだけではなくコラージュにまで現れている作品。これまた個性が出ます。

歩いて感じて表現する、三拍子揃った大満足のワークショップに、くんくんボトルを片手に笑顔で解散です。

「匂い」とまち。シンプルな題材にも関わらず、最初から最後まで飽きる事なく存分に楽しむことができる構成に、井上さんが試行錯誤を繰り返し作ってきたワークショップであることが窺えました。まちは自然や人工物で溢れていて、代わり映えのない景色に面白みを感じることはあまりありません。しかし「匂い」という新しい視点を与えられると、新鮮な気持ちで向き合えます。いつもは通り過ぎる当たり前の景色がとつぜん面白い場所に変わる、非日常の経験。アートの不思議な力と、おとなのこどもの楽しみ方の違いを、たっぷりと味わった1日でした。

中畝千明(A&Sインターン)


*香りのレシピ作品はECOM駿河台2Fにて11月21日(金)まで展示中です。

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くんくんウォーク – まちと自然と香りを楽しむワークショップ –

誰でもアートを身近に感じられる社会への一歩として、今秋も街中でのアートプログラムを開催いたします。

今年もECOM駿河台を会場に、講師にアーティストの井上尚子さんをお迎えします。お茶の水の街で「くんくんウォーク」を体験できる貴重な機会となります。
ビルの中の庭園で自然の香りを採取しながら歴史と文化のまちへと繰り出します。大人も子供も五感を働かせて楽しめるワークショップで、普段なかなかアートを体験する時間を持てない方も参加しやすい内容です。
*当日は「第11回お茶の水アートピクニック」が開催中、ぜひ合わせてお出かけ下さい。

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概要

場 所:ECOM駿河台2F
    アクセス>http://www.ms-ins.com/company/csr/ecom/access.html
日 程:10月11日(土)・12日(日)
時 間:13:00~16:00 小雨開催
対 象:5歳以上〜(小学生までは親子同伴)
定 員:15名前後(要参加申し込み)
内 容:アーティストを講師に迎えてワークショップ
持ち物:飲み物、小さなおやつ(飴など)、ハンカチ、小雨時の雨具、帽子、虫除けスプレー、ムヒ
その他:歩きやすい靴、服装でご参加下さい
参加費: 無料

主 催:特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター
共 催:ECOM駿河台
協 賛:お茶の水茗渓通り会、第11回お茶の水アートピクニック

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当日のスケジュール

12:45 受付開始(ECOM駿河台2F)
13:00 ワークショップ開始、解説、チーム分け
13:35 散策開始
14:50 ECOM駿河台に集合。休憩
15:00 全員でくんくんボトルの嗅ぎ合いっこタイム
15:15 くんくんコレクションレシピ制作
15:45 制作終了/振り返り
16:00 ワークショップ終了

*各自が香りの採取に使う「くんくんボトル」をお持ち帰りいただけます。

お申込み/お問い合せ先

特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター
Email: info@art-society.com
件名に「くんくんウォーク参加申し込み」
本文に参加される方全員の①お名前 ②大人か子供(小学生以下)③参加する日付(10月11日もしくは12日)をご記入の上、上記メールアドレスまでお申し込み下さい。

アーティスト プロフィール

Inoue
井上 尚子(いのうえ ひさこ)
1999年女子美術大学大学院美術研究科版画専攻修了。2005年文化庁芸術家在外研修員として1年間NY在住。現在横浜在住。環境、文化、歴史を匂いから楽しむ「くんくんウォーク」を教育機関、美術館、企業,日本全国で開催。2013年、アーティストユニット[MHC224]を嗅覚研究者:白須未香と結成し、図書館の本の香りを楽しむワークショップ「読香」を開発し目黒区美術館、奈良県立図書情報館にて開催。また音風景研究家:岩田茉莉江とアーティストユニット「みみはな」を結成し、イベント「五感れすとらん〜牡鹿半島の旅〜」を一般社団法人つむぎやと共催(協賛:日清製粉)。2014年、埼玉県立近代美術館、神奈川県立青少年センター、真鶴まちなーれ、葛西臨海公園、岡上さとやま+和光大学にてワークショップ開催。現在、女子美術大学非常勤講師。

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作品を「受け取る」とは?
― 御茶ノ水駅前でのパフォーマンスを終えて ―

御茶ノ水駅前でのパフォーマンスを終えて、準備期間から本番中まで様々なことを感じたが、その中でも特に、作品の「受け取り」とは一体なんなのだろうかと改めて考えさせられた。

多くの通行人が行き交う御茶ノ水駅前広場

多くの通行人が行き交う御茶ノ水駅前広場


会場となった御茶ノ水駅前はいつも多くの通行人で賑わっている。JRやメトロを乗り継ぐ人、出勤する人、待ち合わせている人など、異なる目的を持って道を歩いている。
そこでパフォーマンスをするということは、ギャラリーで作品を展示するのとは違い、「見るつもりではない人」も、「見ることになる」という状況が生まれる。その状況が、作品の「受け取り」にいつも以上の多様性を作り出したように感じた。

まず、今回の作品の概要を説明すると、駅前広場中央にある時計台の上と下に一台ずつスピーカーを設置して、その2つのスピーカーを「ロミオ」と「ジュリエット」に見立てて、パフォーマーは少し離れた場所から「ロミオとジュリエット」の台詞を喋るというものだった。

少し離れた場所からロミオとジュリエットの台詞を喋る

少し離れた場所からロミオとジュリエットの台詞を喋る


当初の目論みとしては、突然聞こえてくるロミオとジュリエットの愛の告白に「軽く苦笑い」してもらえたら嬉しいと考えていた。それは今回のパフォーマンスを卑下して言っているのではなく、駅前を行き交う通行人それぞれが、それぞれに事情を抱えているけれども、その「それぞれさ」を、降り掛かるロミオとジュリエットの愛の掛け合いのアホらしさで「軽く苦笑い」に変えることができたらと考えていたのだ。だがしかし、はじめの予想に反して通行人の反応はもっともっと多様だった。

ヘッドフォンをしていて聞こえていない人
無視して通り過ぎる人
ちらっと顔を向ける人
指をさす人
連れの人と一緒に笑う人
苦々しい表情で立ち去る人
立ち止まって見上げる人
苛立つ人
苦情を訴える人
携帯を使って写真を撮る人
質問してくる人
などなど

上記以外にも、実にたくさん反応のバリエーションが見受けられた。しかし、「笑う」や「写真を撮る」などのポジティブな反応であっても、「苦々しい表情」や「無視する」などネガティブな反応であっても、これらは見て取れる範囲での反応でしかない。
もちろん立ち止まって、興味をもってくれているほうが、嬉しい。この時、作品は鑑賞されているのだろうし、なにより「鑑賞しているように見える」。だからといって、「立ち止まった人」より「写真をとった人」のほうが「より受け取った」のかを考えると、また分からなくなる。「受け取る」とは?「作品をみること」とは?

ちらっと顔を向ける人

ちらっと顔を向ける人


足を止めて指差す人

足を止めて指差す人


立ち止まって見上げる人

立ち止まって見上げる人


会期中、様々な通行人の反応を目にしていると、よりポジティブな反応を引き出せるようなパフォーマンスに心が傾いてしまうときがあった。これは特に、鑑賞者の眼差しを直接受け止めてしまうパフォーマンスという形式だからかもしれないが、「より受け取ったように見える状態」を目指してしまう気持ちが生まれた。しかし、そもそも今回この作品では何を伝えるのか?それは道行く人がみなポジティブな反応をすることなのか?果たして、自分は作品の受け取られ方をどこまで正確に想定していたのだろうか、など通行人の眼差しにさらされることで、はじめて実感する深い反省があった。

作品を作品として成立することを、公共空間というものは保証しない。
コーヒーショップにいる人は、入店した時点からすでに、コーヒーを飲みたいという選択をしているので、コーヒーを売られても困惑しない。しかし、公共空間でコーヒーをいきなり売りつけることは難しいだろう。公共空間で作品を見せることは、同様の難しさがあるように感じる。需要のない場所に供給することの空虚さを感じたり、一方で、純粋な意味で作品というものに需要と供給の関係式が当てはめられるのだろうかという疑問が出て来たりと様々な課題を感じた。

今回の御茶ノ水駅前でのパフォーマンスは、ギャラリーという場所としての保証や、見たいので来ているという積極性の保証のない、吹きっさらしの状態で多くの新鮮な反応に触れて、深い反省とともに自分自身の制作について見つめ直すとても良い機会になったと思う。

関川航平(グランプリ受賞アーティスト)

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