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P+ARCHIVE

2026.03.06

「北本団地コミュニティアーカイブプロジェクト」でレクチャー&ワークショップを行いました


北本市を拠点に活動する合同会社暮らしの編集室が、2026年2月に実施した「北本団地コミュニティアーカイブプロジェクト」にお招きいただきました。1ヶ月の期間中に、レクチャー&ワークショップでのゲスト登壇や、イベントでの意見交換を通じて、プロジェクトの進行をサポートしました。

プロジェクトについては暮らしの編集室ウェブサイトのページにまとめられています。

この取り組みは、入居開始から50年が経過した北本団地に関わる写真や、団地にゆかりのある人びとの話を集め、アーカイブ作業を通して団地の歴史や営みを次世代へとつないでいくものです。テーマには「北本団地のアルバムをつくろう」が掲げられ、自治会や住民、元住民の方々から提供された写真を中心に活動が進められました。

レクチャー&ワークショップの実施

2月1日に実施されたレクチャー&ワークショップでは、アーカイブの基礎的な考え方や、各地で取り組まれているコミュニティアーカイブの事例を紹介しました。続いて写真の整理方法のワークショップを行い、参加者のみなさんと実際の写真資料を手に取りながら記録の残し方を考え、そのやり方や工夫点について共有しました。

レクチャー風景(写真提供:暮らしの編集室)

2月15日には、団地にゆかりのある方々に写真や関連資料を持ち寄ってもらう「オープンデー」が開催されました。イベントに向けて、持ち寄られた写真資料の預かる段取りや、利用に関する許諾の取り方などについてアドバイスを行いました。当日は会場で参加者のみなさんと意見交換をしながら、月末に開催される展示の組み立てについても一緒に考えていきました。

イベントの開催風景(写真提供:暮らしの編集室)

商店街で開催する写真展


レクチャー&ワークショップやオープンデーと並行して、実際のアーカイブ作業や展示の企画は、暮らしの編集室のみなさんが中心となって進めていきました。その成果として、2月27日から3月1日にかけて、写真展「団地のアルバム—北本団地商店街—」が北本団地商店街にある「まちの工作室てと」で開催されました。

会期中の2月28日に開催されたイベントにもお招きいただき、「コミュニティアーカイブのゆくえ」をテーマとしたディスカッションに参加しました。アーキビストの視点から、プロジェクトを通して収集された記録の価値や、展示によって示された可能性についてコメントしました。暮らしの編集室のみなさんや活動メンバー、来場者の方々とカジュアルな雰囲気で意見を交わしながら、今後の展開についてさまざまな可能性を考える機会となりました。

北本団地で進められているこの活動は、人びとの生活に根ざした視点から記録の価値を見つめ直す試みでもあります。団地という暮らしに密接した場所の記憶を掘り起こし、そして未来へ手渡していくために、住民の方々と協力して進められています。コミュニティアーカイブの新たな実践として注目したい取り組みです。今後も展開を見守りながら、このプロジェクトをサポートしていきたいと思います。

[P+ARCHIVEディテクター井出]