このたび、福武財団より記録集『瀬戸内「 」資料館 2019–2025』をお贈りいただきました。

本書は、アーティスト・下道基行さんが直島で2019年から取り組んできた瀬戸内「 」資料館の歩みを振り返る内容となっています。瀬戸内海地域の景観・風土・民俗・歴史などを対象に、調査・展示・アーカイブを横断的に行ってきた一連の活動が、豊富な写真とテキストによって丁寧にまとめられています。
下道さんは2020年3月に直島へ移住し、島での生活を続けながら地域の人びととの交流を深め、資料館の活動を展開してきました。そうした関わりの中から立ち現れる直島の暮らしの新たな側面や魅力は、展示や研究会、出版といったかたちで記録されています。このプロジェクトそのものが、コミュニティアーカイブの実践として捉えることもできるでしょう。
写真とテキストの構成やページデザインにも工夫が凝らされており、アーティストブックとしての魅力も備えた一冊です。島に暮らす人びとや関係者とともに育まれてきた資料館の空気感が、そのまま織り込まれているように感じられます。
テキストも充実しており、時間をかけて読み進めたい内容です。機会がありましたら、ぜひ手に取ってご覧ください。
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[P+ARCHIVEディテクター井出]

瀬戸内「 」資料館の館内(2025年) 撮影:山本糾 [福武財団提供]