参加型のパブリックアート Vol.1 <コミュニティー・センター、教育>

ロドリック・サイキス“セント・エルモ・ヴィレッジ”
ロサンゼルス、1969年−現在

ヴィレッジは、この30年間、あらゆる人々に無料でアート、コンピューター、演劇、アフリカのドラム等のクラスを提供し、学校の壁画制作のためのワークショップを実施している。これには、ロサンゼルス文化局他の財団が助成している。
サイキスは、「すべての人々が創造する力を持っている。この創造するプロセスを私はみんなと分かち合いたいと思う。」と語り、ヴィレッジは人々が自身の創造性を発見し、展開させる場所としての役割を続け、コミュニティにポジティヴなイメージを届け、人々の広い交流の場となっている。

ロサンゼルスのミッド・シティ地区、黒人の住民が多く、その他メキシコ系、アジア系の住民が混在している地域。都市の周縁部の荒れた地域に80年前からあった10棟のバンガロー・ハウスに、1960年代半ばにサイキスが住み始め、1969年には、他のアーティストも加わり、自分たちの作品を制作、展示することにした。これがセント・エルモ・ヴィレッジの始まりとなった。

すべての塀と地面はサイキスが子ども達とともに制作した、メキシコ、アメリカ南西部の伝統的なサイケデリックな壁画で覆われている。所有者がバンガロー・ハウスの取り壊しを計画したが、St. Elmo Village Inc. という非営利団体を立ち上げサバイバルのためのアート・フェスティバルを毎年開催し、1980年には、彼らの所有となった。建築史からも注目され、その保存運動が起こっている。

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