参加型のパブリックアート Vol.3 <公共施設、歴史>

アン・ハミルトン&アン・チェンバレン “サンフランシスコ公立図書館”
サンフランシスコ、1996

コンピューターの導入で不必要になった“インデックス・カード”を使った作品。
カードはこの図書館100年以上使用され続けた歴史を有している。
それぞれのカードには、そのカードに記されている本やそのタイトルに関連した本の引用文が様々な言語で記されている。

アン・ハミルトンの作品のテーマの一つに、アメリカにおける労働運動の歴史があげられる。歴史上に記されることのない無名の労働者たち(自分たちの手を酷使して労働した)に焦点をあてる。
彼女のプロジェクトは、多くの人手を要し、プロジェクトを行なうコミュニティからの参加者の協力るということがプロジェクトの始まりであり、多くの人々の “手”が作品を作り上げる。

参加者は200人近くに及び、移民した様々な人種が自国の言語で文章を書いた。
このコラボレーションは、人々が本をリサーチをした事を示す事ではなく、一人ひとりにとって、その本が意味を持ち、その解釈は多様なものであるという事実を表わしてゆくことであった。

これらのカードは、人々が利用できる図書館が所蔵する本の内容を明らかにし、本の世界への『窓』として表現された。 このアートワークは、図書館の3階分のフロアーで設置されている。

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