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2015.01.16

[AAK] 実証実験 くんくんウォーク@お茶の水 お手紙アーカイブ

くんくんウォークは「香り、匂い」をモチーフにしたワークショップ。
参加者が持ち帰った香り、匂いの体験についてはどんな記録を残せるか?
音や画像などデジタルで残しておくことができない「香り」についてのアーカイブということで、
あえてデジタル(メール)でなくアナログな手紙にしたためてもらう、香りの往復書簡、
お手紙プロジェクトを試みました。

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参加者にアンケートを入れた封筒を持ち帰ってもらい、ワークショップを思い出しながら記入、投函してもらうという流れ。
封筒の中にはワークショップで立ち寄ったニコライ堂の「乳香」を一粒入れておきました。

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みんな返信出してくれるかな~とドキドキでしたが、次の週、早速届いていました!
中には大きな封筒でアンケート+絵手紙を描いて送って下さったり、
気持ちです、と香りのしおりを入れてくれたお手紙もあったり、井上さんと楽しく読ませていただきながら、事務局としても思いがけない感動をいただきました。

参加者の方それぞれが感じた香りの体験についても共有できると良いのですが、
ここにお手紙の一部をご紹介させていただきます。
食欲には勝てない(笑)というのと、自分のまちの香りはやっぱりみんなホッとする香りなんだなあ
ということが伺えました。

- 家に帰って嗅いだ「くんくんボトル」の香りはどうでしたか? -

「 日が経つにつれてにおいがマイルドにこなれた感じになってくるのが面白かったです。
10日経った今日かいでみたらまたいい感じになじんでいました!」

「 ワークショップが終わったとき、私は「カレーグリーン」とタイトルをつけました。家に帰ったときボトルの香りはカレー < グリーン で グリーンのほうの香りが強くなっていたように思います。」

「 なぜか、いえにかえったら、ケチャプのにおいにかわっていました。びっくりしました。」

「 かみのいいにおいがしました。」

「「くんくんボトル」には楽しかったくんくんウォークの思い出がたくさん入っていてさわやかな香りでした。
井上さんが「香りの記憶がもっとも長く記憶として残る」とおっしゃっていましたが、本当にその通りで、この「くんくんボトル」をかぐたびに、くんくんウォークのことを思い出すことでしょう。
楽しいイベントに参加させていただき、ありがとうございました。」

「 封を開いて、あの厳かなニコライ堂の香りを思い出しました。数時間の中でお茶の水を満喫したように思えます。数十年前のお茶の水の香りとは違っていましたが、いろいろな場所の香りを感じることができました。都会の街の中にいかに自然を取り入れるか、動植物をいかに生かし人間にその良さを感じさせるか実現させることに感動しました。ボトルの香りは次々に香りを入れられてその度に香りを変化させ、最後に投入された”くすの木”の”樟脳”の強烈な香りに圧倒され、はるか昔子供の頃にかいだまさしく”ころもがえ”の”樟脳”の香りになりました。自宅に帰っても”樟脳”の香りが強く残って、あの大木の”くすの木”を思い出しました。」

- 家に帰るまでに感じた「自分のまち」の香りはどうでしたか? -

「 東中野に住んでいるのですが、駅前に炭火のやきとり屋さんなどがあるせいか、少しくすぶったような香りがします。駅に着いてこの香りをかぐとホッとしますね。」

「 キンモクセイの樹がマンションの周りにあるので その香りがあふれています。あと 焼肉屋もあるので、開店以降はいつも肉々しい匂いが漂います。」

「 でんしゃからおりて、いえへとかえってくるとちゅう、やきとりのにおいがしたので、たべたくなりました。」

「 でんしゃのせんろのにおいがしました。」

「 ほっとする香りでした。生まれた地には思い出からくる香りがたくさん詰まっていると思います。特にそう感じるのは季節の変わり目です。あの時にこういくことがあったな、という情景が浮かび、その季節の香りが印象を強くしているからだと思います。帰り道、自転車に乗り風を受けながら、どこか懐かしい感じに浸っていました。」

「 自宅もよりの駅に着いた時には うどんの香り、焼き肉の香り、パンの香り・・・など食べ物の香りばかりが気になりました。そして自宅の裏の道を通った時には、水っぽい緑や木の香りがしました。(自宅のとなりに大きな森があるので。)これから自分の生活の中でのいろいろな香りを意識しながら過ごしていきたいなあと思いました。」