
第4回目となる今回の勉強会は、「長時間・大量の映像データの管理」をテーマに、慶應義塾大学アート・センター(KUAC)に集まって開催しました。
KUACに集合した勉強会メンバーは、まず開催中の展示『アート・アーカイヴ資料展XXVIII:「幽暗Shadow World−朦朧と立ち上がる土方巽の振付世界」』を、展示を担当した石本さんより解説いただきながら鑑賞しました。
この展示については、日本映像アーキビスト協会ウェブサイトに寄稿したレポートでも紹介しています。ご興味ある方は、ぜひこちらのレポートを合わせてご覧ください。
レポート| KUAC収蔵庫見学 及びアート・アーカイヴ資料展XXVIII:「幽暗Shadow World—朦朧と立ち上がる土方巽の振付世界」
舞踏やアートなど表現の現場では、作品制作のためだけでなく活動の記録として映像を残すことが多くあります。こうした映像記録を「撮りっぱなし」にせず活用できるように、AIツールを使ったメタデータ生成などの実践をトライアルしました。
勉強会メンバーの石本さんが取り組む研究プロジェクト「動きのアーカイヴ」の実証的研究の過程では、ワークショップ風景や舞踏の実演記録など多様な映像記録が残されています。この映像記録をケーススタディとして、AIツールによる解析に取り組みました。
実際にいくつかの映像をAIツールで解析すると、映像の場面や舞踏の動作の特徴を読み解き、短時間で場面ごとのタイムスタンプと動きの説明がテキスト化されました。最終的には人の目による確認は必要ですが、内容を把握するためには十分なクオリティでできることが確かめられました。

映像アーカイブの課題としてよく挙げられるのは、映像記録の内容を知るためには、記録された時間と同じだけ視聴する必要がある、という点です。AIによる解析でタイムスタンプを作成すれば、映像の大まかな内容を短時間で把握することができます。
このようなAIツールによる解析を取り入れることで、映像のメタデータを容易に作成できるようになり、長時間・大量の映像データの管理がしやすくなることが期待できます。
今回はトライアルとしての検証だったので、AIによる解析結果によるテキストは一般的な表現に留まっていました。デモンストレーションしていただいた嘉村さんによると、対象となる映像記録に関するデータセットを事前にAIに学習させておく(今回のケースでいえば舞踏に関する語彙など)ことで、さらに精度の高い解析を行うこともできるそうです。
勉強会の限られた時間の中でも、AIを取り入れた汎用性のある映像アーカイブに関する実践のあり方について検討することができました。今後は、このような映像記録を軸として勉強会を継続していく予定です。
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[P+ARCHIVEディテクター井出]