2026年度初めとなる第5回は、この勉強会の進め方を検討し、「長時間・大量の映像データの管理」をテーマに、前回のトライアルからどのように具体化していくか、意見をすり合わせる時間としました。
勉強会メンバーの石本さんが取り組まれている舞踏継承のための研究プロジェクト「動きのアーカイヴ」の映像資料をケーススタディとするにあたって、この日は石本さんと一緒にそのプロジェクトに取り組まれている映像作家の新明就太さんと、イェール大学准教授のローザ・ヴァン・ヘンスバーゲンさんにもゲスト参加いただきました。

2026年5月 神保町のオフィスにて開催しました
最初に前川さんと嘉村さんから、勉強会とは別に取り組まれている研究の途中経過について情報共有いただきました。前川さんからは、舞踏家の手書き創作ノートなどの、複数のAIツールを使い分けることで得た解析結果や、嘉村さんからは同じ文献資料を複数のAIツールで比較した検証内容などの紹介でした。どちらも200ページに及ぶ資料データを扱った内容で、その読み取りの精度に驚かされます。AIがそれぞれ「個性」を持ちながら進化していることを実感しました。
ただし、この段階では、そのデータ分の人間による検証作業も必要になります。また一方で、AIが人間の代わりに読み解いてくれる便利さの反面、作品との出会いや、人間自らが読み解くことで生まれる感動体験の機会が失われていくのではないか、という一抹の危惧についても考えさせられました。
その後の意見交換では、オープンなデータとしてAIに学習させることのリスクや、導入する場合のコスト、汎用性についてなど、様々な角度から課題が出され、議論が深まりました。
新明さんからは、舞踏アーカイブの必要性について、「次世代のダンサーを育てるため、使いやすいメタデータを作り、活用の可能性を高めることが一番の目的」との意見があり、これには一同納得したところです。そのためにも、やはりAIの力をいかに上手く活用できるかが期待されます。
今回出された意見を踏まえ、今後は「動きのアーカイヴ」チームの映像資料を題材に、実際の管理にAIを活用することを探っていくことになります。勉強会メンバーの溝端さんも含め、舞踏に精通された方が4人も揃う中で、AIによる結果を検証していく場に立ち会えることが、非常に楽しみな展開となってきました。
[第5回参加者:石本華江、井出竜郎、嘉村哲郎(リモート)、川口明日香、平野泉、前川充、溝端俊夫、新明就太(ゲスト参加)、ローザ・ヴァン・ヘンスバーゲン(ゲスト参加)]
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[P+ARCHIVE 川口]