ART & SOCIETY RESERCH CENTER

P+ARCHIVE

2021.11.18

収録レポート|レクチャー・シリーズ Vol.1|
震災から10年。複合災害被害地域の「文化」を考える


(※動画はレクチャーパートのみ公開)

レクチャー概要

[P+ARCHIVEレクチャー・シリーズ Vol.1]
震災から10年。複合災害被害地域の「文化」を考える

日 時:2021年11月5日(金)18:30〜19:30
講 師:西村慎太郎(人間文化研究機構国文学研究資料館教授・NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴん代表理事)

今回のレクチャーでは、西村さんが代表理事を務める「NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴん」での取り組みを中心にご紹介いただきました。

被災地での歴史資料レスキュー活動

2011年3月11日の東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故から10年が経ち、被災地で取り組んできている歴史資料のレスキュー活動についてご紹介いただきました。特に地震、津波、そして放射能汚染によって「複合災害被害地域」となった福島県浜通りでの活動は、西村さんがどのような危機意識を持って精力的に取り組んでこられたかをお話しいただきました。

大字誌の編纂

レクチャー後半では、帰宅困難区域となった地区の「文化」を伝えていくために地元の方々とともに取り組んでいる「大字誌(おおあざし)」の編纂活動の話題にうつります。実際に取り組んだことを事例として示していただき、アーカイブ活動を地域にどうやって還元するのかという課題について西村さんのお考えをお聞きできました。

レクチャーを受けて

レクチャー後は、参加者の皆さんからお寄せいただいた質問にお答えいただきながら、参加者のみなさんと一緒にディスカンションしていきました。
西村さんのご活動では、アーカイブを始める段階から地域の人たちや学生たちと一緒に取り組んでいることが印象的でした。自分たちで取り組むことで資料がよりその土地に根付くことにもつながるでしょう。そのような視点はアート・プロジェクトでも取り入れることができるヒントになりそうです。

震災とアーカイブという大切なテーマであり、西村さんの活動はどなたにとっても身近なこととして考えることができる内容になっています。ぜひ、収録アーカイブのレクチャー動画をごらんください。