ART & SOCIETY RESERCH CENTER

P+ARCHIVE

2013.03.13

P+ARCHIVE2012 第8回ワークショップ 報告

インストラクターの松井隆さんから、現在のプロジェクトにより作られているアーカイブのフォンドやサブフォンドにつけられた項目名称の説明と、一つのアイテムに付随した情報の項目の内容をうかがいました。
これらの項目は、国際標準をもとにして、松井さんがアーカイブプロジェクトを進めるにあたり、必要なものを整理した物だそうです。
また、改めてフォンド、サブフォンド、シリーズ、ファイルについてご説明いただきました。

2月6日のワークショップは、アーカイブが完成されたとき、誰がそのアーカイブを使用するのか、どのように使用するのか、という事をみんなで想像しアイディアをだすことで、アーカイブの方向性について話し合いました。

「誰がそのアーカイブを使用するか」と言う事について、考えられる利用者をあげてみました。
下記のような意見がありました。

発言された意見

「誰がそのアーカイブを使用するか」

・地元の人たち
  -参加した人たち
  -参加しなかった人たち
・寄港地の人たち
・教育者、学校の関係者(美術の先生とか)
・エンジニア
・イベントを探している人
・街おこしをしたい人
・財団の人、支援したい人
・アーティスト
・アートマネージャー
・コンサルタント
・広告代理店
・メディアの人(TV、新聞)
・アートプロジェクトの研究者
・日比野ファン
・五十嵐ファン
・写真家とか写真や映像に関わっている人
・アートアーカイブに関わっている人
・海外の人
・美大生
・デザイナー

誰が、どんな観点で、アーカイブを利用するのか、何通りも可能性があるということがわかりました。次の作業として、本アーカイブのなかには、どのような情報が入っていたらいいのか、考えました。

今度はブレーンストーミング方式で思いつく単語を考え、ポストイットに書き、ホワイトボードに貼っていきました。似たポストイット同士を近くにおくようにしていったので、おおまかにいくつかのカテゴリーにわけることができたようでした。

ポストイットを使ってキーワードづくり

ポストイットを使ってキーワードを並べていく

※(1)~(5)は、本報告のため、私がホワイトボードをみて仮にくくり、名前を付けています。

(1) 種船プロジェクトが行われていた当時の状況を理解する際により有用なもの(写真左中段)
天気、スケジュール、実行予算、天気、会場、人員配置、
パンフレットや契約法定書類など

(2) 主観性・個人を特定するもの、プロジェクトを物語としてみる際に、より有用なもの(写真左上)
自分が船に乗った視点、ストーリー、ビジュアル、ファッション、
映像、写真、航海図、航海日誌、顔写真、随伴船、インタビュー、
関係した人、出会い、イベント、相関図、子ども、教育

(3) このプロジェクトの根幹にあると思われるもの(写真中央上)
朝顔のタネ、日比野さんのイラスト作品、場所(港)、
Tanefune、GPS、船舶、ワークショップ、宝物

(4) 振り返って、「このプロジェクトが何をもたらしたのか」を知ろうとする際に、より有用なもの(写真右上)
継続性、波及効果、お金、経済効果、保管先、反響、動員数、
媒体、広報活動、Twitter、facebook、アンケート

(5) その他
過去、背景(写真左上)  協賛・協力企業、グッズ(写真右下)

本日のワークショップに出席して、ある程度利用者を想定しながらプロジェクトが進んでいながら、常に新しい視点を探し、反映させるアーカイブプロジェクトの手順の一部を理解する事ができました。また、ブレーンストーミングの作業では、すでに作られているパンフレットや種は船プロジェクトのホームページ、アーカイブの為に撮影された資料の画像を見る事で、様々なアイディアを得る事ができました。特にパンフレットはすでに「伝える内容、伝える相手、伝える手段」が決められて作られる物なので、このなかにおさめられている情報はアーカイブされる情報のなかで基本的な部分だということがわかりました。

以上

(受講生 中村良子)