第2回 「Definition」を読む (2013年10月4日)
 Education for Socially Engaged Art
 — A Materials and Techniques Handbook —

Ⅰ Definishion (pp.1〜8) のポイント

  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、コンセプチュアル・プロセス・アートの様式に属する。しかし、全てのプロセス・ベイスト・アートがソーシャリー・エンゲイジド・アートではない。
  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートには、社会的な関与(エンゲイジメント)が必須である。
  • 過去数十年、社会的な交流(インタラクション)に基づくアートは、様々な名で呼ばれてきた。
    relational aesthetics、community art、collaborative art、participatory art、dialogic rt、public art
  • 最近では、social practice と呼ばれることが多いが、この名称からは、アートメイキングとの関連が排除されてしまっている。
  • <分野のはざまで>

  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートには、本来アートメイキングの要素が備わっている。
  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、アートとして認められながらも、伝統的なアート様式と社会学、政治学など関連する分野との間の居心地が悪いポジションに座っている。しかし、そのポジションこそがこの種のアートの特徴である。
  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、通常は他の分野に属するテーマや問題に関わりながら、それを一時的にあいまいな空間に移動させる機能をもっている。
  • 対象を一時的にアートメイキングの領域に引っ張っていくことで、特定の問題や状況を新しい見方でとらえたり、他の分野に対して目に見えるものにしたりできる。こういった理由から、この種の活動に用いる最適な用語はやはり「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」である。
  • <象徴と現実のプラクティス>

  • 政治的、社会的な動機から始まっていても、アイデアや問題を象徴的に表現するだけ(represetation)の行為はソーシャリー・エンゲイジド・アートではない。
  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートに関わるアーティストは、公共圏(public sphere)に影響を与える集団的アートをつくりだすことに関心がある。
  • どんなソーシャリー・エンゲイジド・アートプロジェクトも、政治的・社会的立場を明確にすることを前提としている。
  • 「社会的交流social interaction」がソーシャリー・エンゲイジド・アートの中心であり、欠くことのできない要素である。ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、ハイブリッドで分野横断的なアクティビティであり、アートと非アートの中間のどこかに位置する。ソーシャリー・エンゲイジド・アートは、想像や仮定ではなく、現実の社会的行為に基づくものである。

    ディスカッション

  • 「ソーシャル・プラクティス」という言葉は、アート関係者ならソーシャリー・エンゲイジド・アートのことだと分かるが、一般の人はアートと結びつけることはできない。
  • ソーシャリー・エンゲイジド・アートのコアに「アート」があることは、しっかり認識する必要がある。
  • 欧米のソーシャリー・エンゲイジド・アートは、具体的なソーシャル・チェンジと結びついて、都市で行われることが多いが、日本のアート・プロジェクトは、地域おこしを目的として地方で展開されることが多い。プロデュース型のアートエキジビションと同じで、それぞれのアートワークの目的(社会との関わり)が曖昧になる傾向がある。
  • 日本では、国外の活動と比較すると、社会とアートの関係性の可能性が十分開拓されていないのでは?
  • (モデレーター:秋葉)

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