【SEAラウンドトーク】 池田剛介
Vol.8 「コトからモノヘ — 芸術の逆行的転回にむけて」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.8 「コトからモノヘ — 芸術の逆行的転回にむけて」

アートと社会の関係とは何か。近年しばしば見られる問いですが、こうした問題を考える上で、たかだかここ数十年というアート・ワールドの動向を射程とするのではなく、より根本的にその意味を再検討することが重要ではないでしょうか。芸術の持つ、モノを作るという原点に立ち返りながら、制作行為と社会的なものとの関わりについて問うこと。今回、近年取り組んでいる「占拠」をめぐるプロジェクトを一つの参照項としながら、芸術と社会との関係について参加者の方々と共に考えていく予定です。

アートの内外で「モノからコトへ」というスローガンの掲げられて久しい現代において、むしろ「コトからモノヘ」という芸術の逆行的な転回可能性を見据えながら、芸術と社会をめぐる問題を新たな角度から考える機会になればと思います。

開催概要

日 時 2018年4月26日[木]18:30–20:30
会 場 3331 Arts Chiyoda B1階マルチスペースB105 (www.3331.jp/access
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

池田剛介 Kosuke Ikeda[アーティスト]
1980年福岡県生まれ。美術作家。京都造形芸術大学卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。自然現象、生態系、エネルギーなどへの関心をめぐりながら制作を行う。近年の展示に「Malformed Objects――無数の異なる身体のためのブリコラージュ」 (山本現代、2017)、「Regeneration Movement」(国立台湾美術館、2016)、「あいちトリエンナーレ2013」、「堂島リバービエンナーレ2011」など。近年の論考に「祝祭から「遊び」へ」(『POSSE』2017年9月号)、「虚構としてのフォームへ」(『早稲田文学』2017年初夏号)、「干渉性の美学へむけて」(『現代思想』2014年1月号)など。
www.kosukeikeda.net

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 ジェームズ ・ ジャック
Vol.7 「海を中心とするSEA」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.7 「海を中心とするSEA」
(=Socially Engaged Art and Southeast Asian Art)

このトークは海からはじまります。今日社会政治の範疇では、国や国境による土地中心の歴史について主に議論されますが、これに対して、このトークは海からの視点をひらこうとします。ソーシャリー・エンゲイジド・アートにおいて、海からの視点はどのような見方を可能とするでしょうか?人間のインタラクションを通じて海の生活を見ると、多様な文化のネットワークに光をあてることになります。そこで、ここでは社会とエコロジカルな関係性を中心に考えた場合、アジア太平洋地域にどのような変化をもたらすかを再考したいと思います。
アートワークは社会の記憶に形を与えることができます。それらは植民地時代の地域の記憶を回復する物語に力を与えるのです。ジャックによる芸術作品が、創造的なストーリー・テリングを通して、コミュニティ内とコミュニティ間のつながりを再生するために作用するプロセスをお聞きします。(トーク言語:日本語)

開催概要

日 時 2018年3月29日[木]18:30–20:30
会 場 上野・御徒町貸会議室 東京都台東区上野3-7-3 SDビル5階
(https://bmt-group.jp/kaigishitsu/ueno_okachimachi)
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

ジェームズ・ジャック James Jack[アーティスト]
ニューヨーク市出身、東京藝術大学にて博士号取得。九州大学ソーシャルアートラボ特別研究員を経て、現在、 シンガポール、イエール NUS 大学講師。世界中で社会とエコロジーの壊れやすい関係性を再生することに関心をもつ。土や水、海など、私たちを取り巻く環境をテーマに場所の記憶や物語、コミュニティをつなげる作品を創っている。 展覧会は Centre for Contemporary Art シンガポール、福岡県立美術館、アジア・アメリカ・アーツセンター、瀬戸内国際芸術祭、 Cheryl Pelavin Fine Art、釜山ビエンナーレ、ポートランドアートセンター、ホノルル美術館などで発表。

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『ソーシャリー・エンゲイジド・アート展:社会を動かすアートの新潮流』
記録写真集(PDF版)

『ソーシャリー・エンゲイジド・アート展:社会を動かすアートの新潮流』記録写真集はアート&ソサイエティ研究センター主催により2017年2月に開催したソーシャリー・エンゲイジド・アート(Socially Engaged Art、以下SEA)展を記録したフォト・ドキュメンテーションです。展覧会開催に伴い実施したイベントやアーティスト、専門家によるトーク・セッションも収録しました。

本展覧会ではとくに3.11以降顕著となった、社会への関わりを強く意識した日本人アーティストの活動に注目し、アイ・ウェイウェイ、ペドロ・レイエス、パーク・フィクションなど海外の代表的な作家やプロジェクトを紹介しました。
また展覧会の期間中、アーティストが相互に交流、議論、発信する機会となるトーク・セッションや関連イベントも実施。
資料コーナーでは、本展に向けてはじめたSEAヒストリー研究会が、約1年にわたる調査研究の成果として作成した年表を掲示。展覧会の鑑賞者が内容を追加する仕組みを盛り込む「参加型年表」を実験的に試みました。
来場者数は展覧会の会期終了にむけて、右肩上がりに増加し、SEAに対する広い分野からの関心を集め、人々の意識や発想の変化をもたらそうとするアートの新たな形を紹介する重要な契機となりました。

PDFダウンロードはこちらから(18.1MB)

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【SEAラウンドトーク】 卯城竜太(Chim↑Pom)
Vol.6 「道を拓く」



ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.6 「道を拓く」 

2005年に結成されたアーティスト・コレクティブChim↑Pomの卯城竜太(うしろりゅうた)さんをゲストに迎えます。Chim↑Pomは、渋谷センター街で捕獲したネズミをピカチュウそっくりの剥製にした「スーパーラット」でデビューして以来、つねに現代という「状況」に反応し、独創的な手法で介入するプロジェクトを国内、海外で展開しています。最新作は「道」。国立台湾美術館で開催中のアジアン・アート・ビエンナーレ2017(2018/2/25まで)の出品作として、美術館の外の公道から館内に至る長さ200mのアスファルト道をインスタレーションしました。公道も国立美術館も公共の場ですが、それぞれに異なるルールがあります。Chim↑Pomの道は、公道とも国立美術館とも違う新たなパブリックスペースとして独自のレギュレーションを設定。それによって路上はさまざまなことが可能な場となり、パフォーマンスやプロテストやDJ、グラフィティなどが繰り広げられました。今回、卯城さんにはこのプロジェクトを中心に語っていただき、「道」をめぐって「パブリック」の意味を問い直します。

開催概要

日 時 2018年2月23日[金]19:00–21:00
会 場 上野・御徒町貸会議室 東京都台東区上野3-7-3 SDビル5階
(https://bmt-group.jp/kaigishitsu/ueno_okachimachi)
(前回と会場が異なりますのでご確認の上、ご来場ください)
定 員 20名(先着順) 
参加費 800円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

Chim↑Pom[アーティスト集団]
卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。2015年アーティストランスペース「Garter」を東京にオープンし、同時代のさまざまな表現者たちの展覧会もキュレーションしている。また、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域内で、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」国際展「Don’t Follow the Wind」の発案とたちあげを行い、作家としても参加、同展は2015年3月11日にスタートした。以来、最近はさまざまな「ボーダー」をテーマにしたプロジェクトも展開しており、2017 年には、メキシコと アメリカの国境沿いで制作したプロジェクト「The other side」を発表。2015年、Prudential Eye AwardsでEmerging Artist of the Yearおよびデジタル・ビデオ部門の最優秀賞を受賞。
Chim↑Pom:http://chimpom.jp/

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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つながるえほんワークショップ-Vol.2終了

2017年10月7日(土)と8日(日)に開催した「つながるえほん-Vol.2」はお茶の水アートピクニックの賑わいの中、多くの方にご参加いただき、無事に終了しました。

会場風景

丸善お茶の水 絵本紹介コーナー

制作風景

どこかで見たことのある包装紙の柄が、参加者それぞれの発想の広がりによって色々な形に変化していました。

完成した作品の一部をご紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

講師の榎元さん、ご参加下さった皆さま、
丸善お茶の水店さま、お茶の水アートピクニック関係者の皆さま、
ありがとうございました!

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バルカン半島の要所にあるブルガリア
―その文化とアートについて―

ブルガリアと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
…まずはヨーグルトであろう。または、相撲の琴欧州関だろうか。
私も上記のようなイメージを持って2017年7月にブルガリアに来た。早いもので、もうすぐ半年が経とうとしているわけだが、今まで感じてきたリアルなブルガリアについて述べていきたいと思う。

―文化―

首都ソフィアで有名なビトシャストリート。奥に見えるのがビトシャ山。この山はソフィアのシンボルであり、街を歩いていると見ない日はない。


ブルガリアは自然豊かな国である。
ブルガリア人にとって、山や森は身近に存在するものであり、例えばことわざを見ると人と自然の関係性の近さがよく分かる。ここで一つ有名なことわざを紹介したいと思う。
「Сговорна дружина планина повдига」
(協力し合うグループは山をも持ち上げることができる)
それに伴って農業や酪農も盛んであり、ブルガリアの伝統的な料理には日本では見慣れない羊のチーズや野菜をふんだんに使った料理が多い。

また、ブルガリア人は踊ることが大好きである。みんなで集まって食事をしている時などにブルガリアの伝統的な曲が流れると、民族舞踊の「ホロ」が始まる。手を繋いで列をなし、音楽に合わせてステップを刻む。簡単なステップなので、私も何回か参加したことがあるが、どうも照れてしまう。

さらに、今ブルガリアは観光業に力を入れており、特に遺跡の発掘に力を入れている。
 
さて、ブルガリアはその地理的条件から、様々な異文化が混ざったところでもある。
それが顕著に表れているのが宗教ではないだろうか。
イスラム教のモスク、ブルガリア正教の教会「アレクサンダー・ネフスキー寺院」、ユダヤ教のシナゴークは徒歩15分圏内ところのにあり、多様性の尊重を感じる。
また、ブルガリア人の約80%がブルガリア正教会なわけだが、1988年に世界遺産に登録されたブルガリア正教の修道院「リラ修道院」は圧巻である。

イスラム教のモスク、ブルガリア正教の教会「アレクサンダー・ネフスキー寺院」、ユダヤ教のシナゴーク。


リラ修道院

―アート―

1.ブルガリアの歴史
まず、ブルガリアのアートについて述べる前に、ブルガリアの歴史について簡単に説明したい。

ブルガリアは、1946年ソビエト連邦の衛星国家になり、1989年一連の東欧革命によってブルガリアでも民主化運動が高まり、当時の国家元首であったジフコフ政権は退陣に追い込まれ、1990年「ブルガリア共和国」と国名を改め、社会主義国家から民主主義国家へと移行した。
この移行期は、社会主義時代よりも経済が悪化し、人々の生活は困窮していった。その後、徐々に建て直していき、ヨーロッパの中では貧国でありながらも、2007年にはEUへと加盟した。

2.アートの歴史
さて、この知識を踏まえた上で、ブルガリアのアートについて述べていきたいと思う。

1946年から1990年までの社会主義時代を、ブルガリアのアート界にとって、孤立、停滞、抑圧の時代と考える人は多い。そんな中でも、民主化運動が起き始める少し前から、芸術家たちの中で社会主義に対する反抗と革新の動きが出始める。
そして、民主主義国家になった後は、国が事実上崩壊し生活が苦しいにも関わらず、ブルガリアのアーティストにとっては、自由を獲得しこれからブルガリアのアート界を変革していくという情熱に溢れていた。
その後、20世紀に入りインターネットなどのメディアの発達やEUの加盟により、ブルガリアのアート界はよりグローバルになっていく。と同時に、より自由と豊かさを求めて、ブルガリアを出るアーティストも増えていった。

3.「XXL」と現在
さて、ブルガリアのアートについて語る上で、欠かせない存在は「XXL」というグループであろう。
このグループは、1994年から2003年まで活発に活動していた若いアーティスト集団である。彼らは、ブルガリアのアート界に新しい風を通し、革新的で、アート界だけでなく一般の人々にも大きな影響を与えた。
しかし、2003年にこのアーティストが籍を置いていたギャラリーXXLが、政治的な理由で閉鎖されると、何人かはブルガリアに残り、何人かはアメリカへと旅立っていった。

そして、現在2017年11月28日から2018年2月18日までThe National GalleryでXXLの展覧会「PAST AND PRESENT OF COUNTERCULTURE NARRATIVE」が行われている。

写真提供:Wikipedia


当時20代だった彼らも、現在は大半が50代になりつつある。
そんな彼らの昔の作品と現在の作品が展示されている。今回は、8人のアーティストの作品が展示されていたが、中でもHuben Tcherkelov(Huben
R.T)とGenadi Gatevの現在の作品を紹介したいと思う。
まずは、Huben Tcherkelov(Huben R.T)である。彼は、2000年からアメリカのニューヨークに移住し、現在までアメリカを拠点に活動している。2011年にはヴェネチア芸術祭のブルガリアパビリオンに作品が展示された。彼の最近の作品は、世界各国の紙幣を題材にしたものが多い。2017年のインタビューの中でこのように答えている。
「私は、国のアイデンティティーと力を伝えるものとしての、通貨が持つ価値を見出そうとしています。国と通貨は一体のものだと考えています。現在、ビットコインなどの仮想通貨が登場し、金融の世界は変わりつつあります。そんな中で、通貨によって確立された国のアイデンティティーは将来どのように表されるのか、また仮想通貨が紙幣に取って代わった時、私達はどのように国のアイデンティティーを確立していくのか、私は疑問に思います」

2015年に制作された「10 Euro」

2014年に流通開始となった10ユーロの新紙幣が題材になっておりこの紙幣は傾けると、シルバーのホログラム(見る角度によって像が浮かぶ図柄)によって見えなかった、エウロペ(Europaの名前の由来になった人物)の肖像画が見える。
この作品を見ながら、ユーロを採用している多くのEU加盟国は、国としてのアイデンティティーを表わすものを失ってしまったのか。それとも、新たにEUという一つの連帯のアイデンティティーを獲得することができたのか。紙幣という新たな点からアイデンティティーを考えるきっかけとなった。
次に、Genadi Gatevである。彼は、既に確立された文化、社会、政治的な規範に対して疑問を呈し、作品の中で日々の生活とそれらの規範の間に存在する対立について取り上げている。
現在ブルガリアに住んでおり、情報収集をしていると、彼がArosita galleryで2017年12月22日から2018年1月17日まで「Y-DNA Haplogroups」という個展を開くという情報を得たので、早速行ってきた。

今回の個展やThe National GalleryではY染色体ハプログループの色を題材にした作品が展示されている。

Genadi Gatev 本人

Genadi氏に今回の個展について聞いてみたところ「現在、国境線はもはや意味をなしていなく、国はY染色体ハプログループの色によってのみ表わされている。それによって、隠れていた国家の違い・社会的行動の違いがビジュアル化される。」と話していた。
今回取り上げたアーティストが、同時期にアイデンティティーをテーマにした作品を制作していたことが非常に興味深かった。

2018年7月まで留学生活。引き続きブルガリアのアートについて学んでいきたいと思う。
また学ぶだけでなく、日本人だからこそ気づくこと・できることを考え、少しでもブルガリアのアートに貢献することを目標に頑張っていきたい。

(文/写真:菊池弘美)



参考文献|Весела Кожарска 2018
「ВЪВЕДЕНИЕ В БЪЛГАРСКОТО СЪВРЕМЕННО ИЗКУСТОВО(1982-2015)」
「I am not an elitist artist」2012 EUROPOST

 
菊池 弘美(Kikuchi Hiromi)
創価大学経済学部3年。アートマネージメントに興味があり、2017年2月に開催された「ソーシャリー・エンゲイジド・アート展」にボランティアとして参加、また同年7月に創価大学で「Before I die I want to…」プロジェクトを実施。留学先では、現在Credo Bonum Galleryでインターンをしており、「挑戦」をモットーに精力的に活動中。

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【SEAラウンドトーク】 藤井光
Vol.5「SEAは可能か?」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
一線で活躍するアーティストによるトーク&ディスカッション・シリーズ

Vol.5 「SEAは可能か?」 

今回のトークは、映像作品を中心に、人々の記憶の危うさや歴史の再解釈を試みる作品で知られる藤井光さんをお招きします。1903年に内国勧業博覧会で行われた「人間の展示」等に焦点を当てた映像インスタレーション『日本人を演じる』や、東京大空襲の犠牲者追悼祈念館の計画が政治的理由により実現しなかったことをテーマにした『爆撃の記録』、韓国の学生に戦時中の日本の軍隊や児童への教育の様子を演じることを依頼した『帝国の教育制度』 等について語って頂きます。
藤井さんの作品は映し出される人々と一定の距離を保ちながら独自の美的スタイルを生み出すことでも知られています。一方で、対象とする場所は政治化した場が多く、見る者に戸惑や居心地の悪さを感じさせ、自分たちを取り巻く社会や自らの立ち位置を再考することを促します。今回のトークでは参加者を募り、テーマに関する議論やワークショップを通して作品化していく手法や考え方、また、政治とアートとの関係性等を具体的に伺いSEAの可能性を探ります。

開催概要

日 時 2018年1月11日[木]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター カンファレンスルーム9A (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 20名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

藤井 光|Hikari Fujii
1976年東京都生まれ。美術家、映像作家。映像メディアを中心にアーカイブ資料などを取り上げ、人々の記憶や歴史の歪みを解きほぐすように関係性を再解釈した作品で知られる。作品形態は映像、ワークショップの実施、ドキュメンタリー映画の制作、演劇/映画作品の演出とテキストの執筆など。パリ第8大学美学・芸術第三期博士課程DEA卒業。近年では、『爆撃の記録』(東京都現代美術館『MOTアニュアル 2016 キセイノセイキ』展)、『帝国の教育制度』(森美術館『六本木クロッシング2016』展)を発表。監督作品にドキュメンタリー『プロジェクトFUKUSHIMA!』(プロジェクトFUKUSHIMA! オフィシャル映像記録実行委員会、2012年)、『ASAHIZA人間は、どこへ行く』(ASAHIZA製作委員会、2013年)、日産アートアワード2017でグランプリとなった『日本人を演じる』などがある。

お申込み

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】 高山明
Vol.4「演劇と社会」


ソーシャリー・エンゲイジド・アート ラウンドトーク
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Vol.4 「演劇と社会」 

プロジェクトごとに形を変えて作られる創作ユニットPort Bの中心的存在として活動を続ける高山明さんをゲストに迎えます。都市空間で実施するインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験的プロジェクト、言論イベント、観光ツアーなど、既存の演劇の枠組を超えた活動を展開しています。演劇界のみならず美術界からも大きな注目を集めた『完全避難マニュアル』や難民をテーマにしたドイツのムーゾントゥルムとのプロジェクト『ヨーロピアン・シンクベルト』など、本トークでは代表的プロジェクトを紹介しつつ、高山明さんが捉える社会とアートの関係性を様々な角度からディスカッションしていきます。

開催概要

日 時 2017年12月14日[木]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター カンファレンスルーム9A (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 20名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

高山 明|Akira Takayama
1969年生まれ。94年より渡欧し多数の舞台に関わりながら演出・戯曲執筆を行う。ドイツでの演劇活動の後に帰国し、2002年にPort B(ポルトビー)を結成。以後、現実の都市や社会に「演劇=客席」を拡張していく手法を用い、演劇を専門としない表現者たちとの共同作業を続ける。’13年には「シンクタンクPort観光リサーチセンター」を設立。異分野とのコラボレーション等、既存の演劇の枠組を超えた前衛的な作品を次々と発表している。
http://portb.net/

お申込み

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主催:NPO法人アート&ソサイエティ研究センター

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【SEAラウンドトーク】瀬尾夏美
「Vol.3土地の出来事を受け渡す(陸前高田から)」

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アーティストは今、ソーシャリー・エンゲイジド・アートをいかに捉えているのか?
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Vol.3
–土地の出来事を受け渡す(陸前高田から)–

大津波のあとの陸前高田に暮らしながら、そこにある風景や人々のことばを記述してきました。出会った人に聞かせてもらったお話を書き起こし、ご本人と話し合いながら声にしていただいて、そこから映像作品をつくりました。陸前高田でつくった展覧会を日本各地に巡回し、旅先で対話を重ねました。陸前高田で書いた物語をダンサーや俳優と読み込み、協働を通して作品を展開してきました。大津波のあと、その場所もその他の場所も日々めまぐるしく変化しています。そのような状況のなかで、進行形で記述を行いながら、同時代をともに生きる人たちに出来事を開いていくような試みを行っています。今回は、主に陸前高田から始まったさまざまな動きと、平行に進み始めている戦争体験の記述についてお話ししたいと思います。

開催概要

日 時 2017年11月17日[金]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター ミーティングルーム9C (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 15名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

瀬尾 夏美|Seo Natsumi[画家、作家]
1988年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より、映像作家の小森はるかとともに岩手県陸前高田市に拠点を移す。以後、地元写真館に勤務しながら、まちを歩き、地域の中でワークショップや対話の場を運営。2015年仙台市で、土地との協同を通した記録活動を行う一般社団法人NOOK(のおく)を立ち上げる。主な展覧会に「クリテリオム91」(水戸芸術館、茨城、2015年)、「横浜トリエンナーレ2017」(横浜美術館・赤レンガ倉庫、神奈川、2017年)など。現在は小森とのユニットで、巡回展「波のした、土のうえ」「遠い火|山の終戦」を全国各地で開催している。http://komori-seo.main.jp/

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【SEAラウンドトーク】
「Vol.2 ポスト・スノーデン時代の映像表現」

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Vol.2
–ポスト・スノーデン時代の映像表現–

2013年6月に元CIA及びNSA職員のエドワード・スノーデンが香港から複数メディアを通じて暴露したNSAをはじめとする世界の大量監視の実態の波及は、国家や政府系組織と市民の間に更なる不信感を与える一方で、社会の中に様々な通信機器を通した監視されることに抗する為の表現を生み出し変容させてきました。山田はあらゆる国や地域で国家の侵略や統治にまつわる歴史的遺構を市民と共に占拠し、そこに設置された監視カメラの模擬的なハッキングや実質的なプレイス・ハッキングを通して、権力構造に向けられた表現の開発拠点を作り出す活動を継続しています。今回は別府、ロンドン、上海、三沢での活動を紹介しながら皆さんとの議論の中で現代の生き方としての映像表現について考えます。

開催概要

日 時 2017年10月27日[金]18:30–20:30
会 場 TKP上野御徒町ビジネスセンター ミーティングルーム9C (https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/bc-ueno-okachimachi/access/
定 員 15名(先着順) 
参加費 500円(コーヒー/資料代込)

ゲストプロフィール

山田 健二|Kenji Yamada [美術家、東京藝術大学 専門研究員]
1983年東京生まれ。2008年に東京藝術大学先端芸術表現科を卒業後、国内外の様々な滞在制作プログラムに参加しながら戦闘解除された土地、侵略/越境に関わる民俗的/歴史的遺構を市民と共に占拠する活動や、あらゆる視点から誤用する活動を通して時間や権力に対するより逆説的な表現の開発拠点を作り上げている。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校卓越講師、東京藝術大学 卓越助教を歴任し現在東京藝術大学専門研究員。美術家として越後妻有アートトリエンナーレ(2009)や上海プロジェクト(2016)への国際展や美術館を拠点とした滞在制作のプログラムへの参加を通して、その社会に偏在する歴史と現代の間に起こる齟齬への表現としてのオルタナティブの実践や、他地域へ分配してゆく活動を行っている。

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